■PSG(Programmable Sound Generator)
・1978年 General Instrument社
・GI社およびGIからスピンオフしたマイクロチップ・テクノロジー
・AY-3-8910とAY-3-8910A、およびその後継製品のAY-3-8912 / AY-3-8913相当品。
・複数の基本波形(AY-3-8910では矩形波×3+ホワイトノイズ)を合成してさまざまな音色を出し、
・エンベロープ・ジェネレーターでADSR(立ち上がりや余韻などのパターン)を変化させる。

■SN76489(Digital Complex Sound Generator(DCSG))
・1980年 テキサス・インスツルメンツ(TI)
・PSGとの大きな違いは、矩形波チャンネル3つ+ノイズ発生チャンネル1の合計4チャンネルで構成されているところである。
・PSG(SSG)はその構造上ノイズの音量制御が3つのチャンネルのどれかに依存してしまうが、SN76489(やpAPU)には
 この制限はなく、独立したノイズチャンネル単体で自由に音量制御できる。 また、ハードウェアエンベロープも持たない。
・TI-99/4A、ColecoVision、M5(ゲームパソコンM5)、セガ(初代~マスターシステム、メガドライブ、ゲームギア)

■YM2149
・1983年?
・ヤマハは、同社のMSXマシンに使用する目的でAY-3-8910の互換チップとしてYM2149を開発し、後に他社にも販売している。
・また、同等の機能を同社の一部のFM音源チップ(YM2203(OPN)/YM2608(OPNA)など)、
 MSXシステムチップセット(MSX-SYSTEM/MSX-SYSTEMIIなど)にも内蔵している。 
・YM2149はAY-3-8910相当機能に加え、さらに内部的な音量が32段階(AY-3-8910は16段階)になっており、
 ハードウェアエンベロープが滑らかになっている。 

■SSG
・ヤマハのFM音源チップ(YM2203/YM2608など)によるYM2149互換機能を
 SSG(Software-controlled Sound Generator)音源、単純にSSGとも呼ぶ。 

■波形メモリ音源
・PSG音源とよく誤解されるが三角波・のこぎり波・正弦波に近い音も発音可能でPSGより音色の自由度が高い。
・音が細かい矩形波で構成されている為、音程が低くなればなるほど模倣の元となった波形の音色との開きが出てくる。
・1980年代のナムコの多くのアーケードタイトルで使われていた音源も波形メモリ音源である。
・PCエンジン(変調機能つき)、ゲームボーイ(1ch)

■ファミコン音源(pAPU)
・1983年?
・パルス波(矩形波)発生装置 2系統(デューティ比3:1、1:1、1:3、1:7切り替え)
・三角波発生装置 1系統(4bit波形、音量は仕様上固定だが、DPCMと絡んだバグに近い挙動が存在し、
 これを利用するといじることが出来る)
・ノイズ発生装置 1系統(擬似乱数雑音・短周期ノイズ切り替え、周波数変更が可能。
 ただし、最初期型(コントローラのボタンが四角いゴム)のファミコンでは短周期ノイズは出せない)
・DPCM 1系統

■YM2151(OPM)
・1983年に日本楽器製造(後のヤマハ)が同社のMSXパソコン向けとして開発した4オペレータ、同時発音数8音のFM音源IC。
 同社製MSX専用シンセサイザー拡張ユニット「SFG-01(1983年)」に搭載された。 
・X1/X1turboシリーズの拡張ボード、それを内包したX1turboZシリーズ、X68000などに搭載された。
・ナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)のシステム86、SYSTEM I、SYSTEM II、SYSTEM21

■YM2203(OPN)
・1984年ヤマハ
・4オペレータ、同時発音数3音のFM音源に加え、AY-3-8910(PSG)相当のSSG(Software-controlled Sound Generator)音源
・PC-6001mkIISR、PC-6601SR、PC-8001mkIISR、PC-8801mkIISR/TR/FR/MR/FH/MH/VA/FE、PC-9801UV2以降の一部機種に搭載。
・FM-77L2、FM77AVシリーズに搭載、
・MZ-2500シリーズ、後継機に当たるMZ-2861にも標準搭載されている。

■YM3526(OPL)
・1984年ヤマハ 
・モノラル、2オペレーターで、FM9音またはFM6音+リズム5音中3音までを同時出力できる。ADPCM再生も同時に行なえる。
	・リズム音モード有効:メロディ6音+リズム5音(キャプテンシステムおよび文字多重放送受信端末向け)
	・リズム音モード有効:メロディ7音+リズム4音
	・リズム音モード無効:メロディ9音
・Y8950と互換有り
・発売後、ほどなくして完全上位互換のYM3812(OPL2)が発売されて製造が中止されたため、オリジナルのOPLの使用例は多くない
・アルゴスの戦士
・クレイジークライマー2
・テレクレスタ(OPLが早々に生産中止となったため、OPNで代替されたバージョンが存在する)
・データイーストのATOMIC RUNNER CHELNOV
・テクモのアルゴスの戦士
・バブルボブル(ごく初期のロット)
・TATSUJIN(リズム音モードの使用方法が独特)

■YM2608(OPNA)
・1985年ヤマハ
・4オペレータ・同時発音数6音ステレオのFM音源部、およびSSG3音モノラル、更にADPCM音源を1チャンネルと、リズム音源を内蔵
・PC-8801FA/MA/MA2/VA2/VA3/MCに搭載
・PC-98DO+・PC-98GS・PC-9821シリーズにて搭載。

■FDS音源(ファミコンディスクシステム音源)の特徴
・1986年?
・波形メモリを土台としながらも位相変調 (phase modulation)による 
 FM的な周波数の変調が可能(そのためFM音源の一種に数えられることがある)、 
 変調(PWM)により出力波形を生成、などの特徴があり、独特のサウンドを持つ。

■MSX-AUDIO
・1986年ヤマハ
・規格としてのハードウェアの定義は、音源LSIにY8950、DACにYM3014、ADPCM/PCMデータ用RAMに256Kbit
 プログラム用ROM128KiByte、プログラム用RAM4KiB、入出力端子としてミュージックキーボード接続端子、
 音声入力端子としてマイクレベルのミニジャック、出力端子としてRCAジャックを最低限の装備としている。
・キャプテン端末仕様ではオプションだったADPCMを追加した

■YM2413 (OPLL) 
・1987年ヤマハ
・モノフォニック2オペレーターのFM音源チップである。
・MSX-MUSIC
・セガマーク3用周辺機器のFMサウンドユニット、日本国内版のセガマスターシステム
・キャプテンシステム端末

■YM2612 (OPN2) 
・1988年にヤマハ
・4オペレータ、同時発音数6音ステレオのFM音源機能を持ったFM音源チップ。
・FM音源部はYM2608 (OPNA) に準ずる。
・SSG、リズム音源、ADPCMは搭載されていないが、Ch.6をDACとして使うことでPCMを再生することができる。
・FM TOWNS、メガドライブ(初期型)、セガ・システム32

■PC-9801-86(日本電氣)
・1993年
・YM2608B
・PC-9801-73(定価\90,000!)から、DSPやADPCM用のバッファRAM、+2ch分のDAC等を省略して低コスト化したものである。
・故にそのままではADPCMは使えない。ADPCMはOPNAチップに搭載された機能だが、バッファRAMが無いことにはデータの圧縮展開ができないのである。